出張報告:HAI2025(M2・中明理沙)
はじめに
2025年11月11日~13日にかけて、神奈川県横浜市にて開催された国際会議
Human-Agent Interaction 2025(以下、HAI2025)に参加し、
「Exploring Creative Human-Agent Discussion via Assigned Perspectives」
というタイトルで研究発表を行いました。
本報告書では、学会で得られた知見や成果について報告します。
HAI2025の概要
- 開催日:2025年11月10日~13日
- 開催場所:慶應義塾大学 日吉キャンパス(神奈川県横浜市)
- 主催:ACM SIGCHI
HAIは、AI・ロボットやエージェントと人間の相互作用に関する学術研究が発表される場であり、
工学、心理学、社会学など、幅広い領域の研究者や企業が参加します。
発表内容
Multi-Agent Systems, Reasoning & Orchestrationセッションにて、
「Exploring Creative Human-Agent Discussion via Assigned Perspectives」
というタイトルで発表を行いました。
本研究では、エージェントに視点・役割を付与することで、
議論の創造性向上を目指す手法を提案し、
エージェント導入が人間参加者に与える影響について分析した内容を報告しました。
質疑応答では、研究内容の妥当性や発展性に関する質問が中心であり、
今後検討すべきポイントを整理する上で有益な機会となりました。
その他の発表
「One Robot, Many Minds: Factors Shaping Visitors’ Evaluation of an Autonomous Museum Robot Guide」
自律型美術館案内ロボットに対する来訪者の印象評価を、
年齢やロボットへの経験度といった属性との関係から分析した研究内容でした。
同じロボットでも参加者によって評価が大きく変化する点が示され、
ロボットの受容性研究における示唆を得られました。
エージェントの印象形成を扱う自身の研究にも参考になりました。
「TailCue: Exploring Animal-inspired Robotic Tail for Automated Vehicles Interaction」
動物の尻尾を模したロボット構造を自動運転車に搭載し、
尻尾の振る舞いによる非言語コミュニケーションの効果を研究する研究内容でした。
尻尾の有無による人間からの支援行動の違いを比較し、
身体的表現が相互作用に影響を与える可能性を示していました。
実演も交えた発表で非常に分かりやすく興味深かったです。
現地の様子
・自分の発表の様子
・会場の学会看板
全体の感想とまとめ
初めての国際学会発表であったため、
英語での質疑応答に苦戦し、
質問を十分に聞き取れない場面があり、課題も感じました。
しかし、発表本体は落ち着いて遂行でき、
研究者から質問をいただく機会を通じて、
自身の研究のポイントを再認識する良い機会となりました。
また、海外研究者のスライド構成や発話表現
(強弱・間の取り方など)に触れ、
プレゼンテーションについて多くを学ぶことができました。
本学会で得た知見・経験を、
今後の修士論文発表にも活かしていきたいと考えています。
来年度以降も、
研究室のメンバーが継続して国際学会に参加し、
より多くの成果を世界に発信できるよう期待しています。

